先の大東亜戦争から七十七年の歳月が過ぎ去りました。苛烈を極めた戦いの中、全国で軍人軍属二百三十万柱もの命が戦禍の犠牲となり、無差別爆撃により、一般国民八十万柱もの尊い命と財産が失われました。
ここ備後護国神社には、備後一円の三万一千五百余柱の英霊が祀られており、福山市の空襲での戦災死没者は三百五十五柱に上ります。併せてお亡くなりになられた方々に哀悼の誠をささげるものです。
戦後、廃墟の中から苦難を克服して、見事な復興を成し遂げることができたのは、国や家族を守るために命を懸けて働き、戦った方々の犠牲があったからであります。このことに私たちは深い感謝を申し上げるとともに、改めて幾多の犠牲者へ鎮魂の誠をささげます。
米国は、日本の弱体化を狙いGHQの押し付けた平和憲法の下、戦後教育は一貫して左翼思想を植え付ける平和教育に徹してきました。その結果、現在では、「世界の恒久平和を!」「平和こそが最も大事!」「いかなる戦争も否定!」「憲法9条があるから攻めてこない!」 等々、 事実上の降伏主義が唱えられてきました。
我々も侵略を目的とした戦争は、絶対にするべきではないと考えています。しかし、ウクライナは日本と同じく、専守防衛を国是とし、「非核三原則」を宣言した国です。いくら宣言をしていてもロシアはウクライナを侵略し核兵器を使用するぞ、と威嚇しています。ロシアは国連安全保障理事会の常任理事国であるのにも関わらず、世界の平和を脅かしているのが現実です。
日本に隣接する中国、ロシア、北朝鮮は全て核兵器を持って、日本の主要都市に照準を合わせていることを一時も忘れてはなりません。
これまでも、毎年、中国やロシアの空軍や海軍は日本の領空・領海を何度も侵犯しており、更に、今年の五月には核兵器を搭載できる中国とロシアの爆撃機の編隊が、日本周回、北海道周回を繰り返し、日本へ威嚇を行っています。
ミサイルが日本領空に入ってからしか動けない自衛隊、いわゆる専守防衛では日本国民を守れないことは自明の理です。このような脅威に晒される日本にとって、国連憲章が推奨する「集団的自衛権」の発展強化しか、主権国家として繁栄する道はなく、今こそ、日本は憲法を改正し他国からの侵略に備えて、真に祖国と、祖国と志を同じくする同盟国を守るための備えをする必要があります。
終わりに、戦後、皆様の苦難を克服する心とその努力は、私たちが引き継ぎ、日本の現実的な平和と安全を強化させることを誓って、「第一回英霊に感謝し戦災死没者を追悼する会・福山」の声明文といたします。
令和四年八月十五日
日本会議広島 福山支部 ・備後護国神社・福山市遺族会




